6-6 水質汚濁について

今回の講義も様々なお話を聞いたのですが、
一番興味を持った“水質汚濁”について調べて
学習したいと思います。

富栄養化”という言葉を耳にしたことがある方は
多いと思います。
富栄養化”とは、海・湖沼・河川などの水域中に含まれる
窒素やリンなど栄養塩濃度が高まった結果、それらを取り込み
成長する植物プランクトン等の生物の活動が活発化し、
異常増殖を起こす現象のことです。
これが進行すると赤潮やアオコの発生、異臭(カビ臭など)などの
水質障害や、酸素濃度低下による魚介類の死滅
水域の水質値の悪化などを引き起こします。



絵を書いてみました。
生物には嫌気性生物と好気性生物がいます。
水の中は好気性生物が多く存在していて、
絵では魚を用いました。緑は水草、黒丸は微生物、
水色は酸素を表しています。
水中に有機物が増えることにより微生物が増えます。
微生物も好気性生物だとすると水中の酸素が減ります。
魚が生きるための酸素が足りなくなり死に至り、
水質汚濁”にもつながるということが
富栄養化”の簡単な説明と言えます。


富栄養化”の原因には生活排水が挙げられます。
かつて、洗濯用合成洗剤には、助剤としてリン酸塩が
配合されていました。1977年以後、琵琶湖で赤潮が発生して、
富栄養化”が深刻な問題となりました。
富栄養化”の原因物質である窒素・リンの排出を減らすため、
洗剤メーカーはすぐに無リン洗剤を発売し、
現在の日本では、家庭用洗剤はほとんど全て、
リン酸塩を含まない無リン洗剤になっています。
(ただし、業務用洗剤にはリン酸塩を含むものが
今でも使用されています。)
このように、助剤として使われていたリン酸塩は
使われなくなったのですが、最近の合成洗剤の中には、
界面活性剤”の中に窒素やリンなどを含むものが増えてきています。

例えば、ボディソープやシャンプーの中には、
リンを含むアルキルリン酸塩や、窒素を含むアミノ酸系、
ベタイン系の界面活性剤を主成分にしているものがあります。
また、台所用洗剤には、窒素を含むアルキルアミンオキシドや
脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸メチルグルカミドなどが
使われているものが増えてきています。

窒素やリンは、現在の下水処理では十分に取り除くことができず
放流されてしまいます。
一人当たりが使用するシャンプーや台所用洗剤の量ですぐに
富栄養化”になるわけではありませんが、
私たちが使用する生活排水が原因となりうることを考えて
液を少しでも薄めたり、できるだけ窒素やリン
少ない洗剤を選ぶようにしたいものですね。

水は大切な資源だからこそ一人一人が意識する必要がある
と感じました。

【参考資料】
「富栄養化」とは - ビジネス - 緑のgoo
合成洗剤と富栄養化 - 石鹸百科

所要時間:1時間45分